Marie's quiltMarie's quiltMarie's quilt

プロフィール
パッチワークを始めて30年近くなりましたが、今も変わらず熱中しています。

当初は、使い古した生地を再利用し、家族全員が利用していた為、パッチワークの寿命は短かったのですが、安い材料を使い手縫で作っていました。
その後、”ル・ルウブレ”のお店で発見した”アメリカンコットン”を、特に1980年代、身近の人達の要求を良い事に、引き出しに入りきれないくらい買い込み、キルトをいわゆる”生産”していました。

今では、生地を愛する最初の頃の気持ちに戻って、心に強く訴えて来る役割を一度終えた生地を使いタピストリーを製作しています。 タピストリーだけを製作するには、絹やコットンの古い日本の着物、使い古した絹製のネクタイ、背広、洋服が適しているのです。 また、18-19世紀の装飾生地の再版や特に日本、インド、インドネシアや中東の地方の生地に興味を持っています。

もちろん古典キルトが好きですが、Dear Janeだけを例外として、私はそのままコピーをする事が出来ません。でも、古典キルトは無限のインスピレーションの可能性を秘めているのです。

最初の自分の試作に反して、型紙や、ブロックのモデル通りに作成する事はまれです。型以前に、生地の価値に誘導されてモデルの選択が決まって行くのです。 選んだ生地に価値を与えるのが私の最大の目的で、選んだその後始めて生地が引き立つモデルを探すのです。 全体のブロックの釣り合い、ボーダーの有無など特に重要視し、いつもハーモニーとバランスを探しています。

私は幾何学的な形やそれらの類似したのが好きで、印刷された色の効果や、生地と色の配置で感覚的にそれを表現しようとしています。 それが理由で、アップリケ技法はしていません。私に取って、それは偽のポピュラーアートか、そうでなければ不器用なコピーとしか見えないからです。立証するのではなく喚起させたいのです。各々のイマジネーションに因って好きなように...

私は試作製作失敗のチャンピオンです。片割れのいないブロック、終了していないトップ、未完のキルト...気に入らなかったら続行する決意が出来ないのです。 始める前に計画を立てないので、自分では最高と思っていた最初のアイディアが期待はずれだと分かり、頭の中のイメージの現実化を掻き乱すのです。

そこで、全作品と同じように、もう一度ひし形と六角形の簡単な形に戻るのです。 六角や八角の星は古い絹を比較にならないほど引き立てます。そして、ひし形と六角形は日本のスタイル文法に良く見られる形で、日本のコットンにふさわしいように思えます。

どんな遺伝子を受け継いだのか、私はいつも日本に熱中していました。 30年ちょっと前、その国の男性と結婚し、日本へ滞在後フランスへ帰る度に、夢見る日本へのノスタルジーで何ヶ月も何かが欠如しているホームシック状態に陥ります。
キルトの製作は、孤独や(もっとも私は一人でしか仕事が出来ないのですが)、人生の難しさと向き合って、生地の歴史や手法、物の見方になどの分野で認識の幅を広げてくれます。 少しでも新しい事を摘み取るため展示会に行ったり、問題に付いて書いている本を読み漁る事に飽きる事はありません。

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マリー・クロード





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Created : 1998/01/25 - 更新日 : 2009年02月8日 Nippon Info O.T. / © 1996-2011 All Rights Reserved.